『「具体⇔抽象」トレーニング 思考力が飛躍的にアップする29問』を読んだ感想

『「具体⇔抽象」トレーニング 思考力が飛躍的にアップする29問』を読んだ感想

知人に勧められて読んでみたので、少し感想を書きます。

本書の目的は次の通りです。

本書は具体と抽象を往復すること、つまり抽象化と具体化によって発想を豊かにするとともに、日ごろ私たちの身の回りで起こっているコミュニケーションギャップを解消することを目的としています。

この具体と抽象を往復する考え方を自らの頭に叩き込むため、29の問題を通してトレーニングをしていきます。

本書を読むことで、私たちが日頃の生活で直面するコミュニケーションギャップが(例えば、本社と現場のギャップ、開発者と営業のギャップなど)、どんな要因で発生するのかを理解でき、また、そのコミュニケーションギャップを解決するヒントも学ぶことができました。

本書曰く、コミュニケーションギャップの原因はズバリ、話している本人が自分の都合の良いように切り取っている(抽象化)ことに気づいていないことなのだそうです。
このようなギャップを埋めるためには、自分が話す内容に恣意的な切り取りがあることを自覚し、「どういう条件のもとで」「どのような目的で」といった前提条件を明確にしてから言葉を使ったり、説明の内容を確認したりすれば良いと述べられていました。

確かに、他の人と何らかのテーマで話している際に感じるギャップが、そもそもの話しの前提がお互いにズレている、つまり、抽象化/具体化を意識できていないから起きるというのは、納得いく説明だと思いました。

本書は巷にあふれる具体的なハウツー本ではないので、すぐに生活で実践できる内容ではありません。
ただ、具体と抽象という観点で考えることで日ごろ直面するコミュニケーションギャップの原因を理解し、このギャップを埋めるためにどんな考え方が必要になのか、そのヒントが書かれています。
あっさり読めるので、読んでも損はない本だと思いました。