『確率思考 不確かな未来から利益を生みだす』を読んだ感想

『確率思考 不確かな未来から利益を生みだす』を読んだ感想

久々に書評を投稿します。

実はこの本が出版されてすぐ、本屋の平積みにあったのを気まぐれに買って読んでいたのですが、内容がサッパリ頭に入っておりませんでした。
今になってふともう一度読んでみようかと思って読み直してみると、なかなか良書でした。
タイトルはとっつきづらいですが、内容はそんなこと一切なく、今後の自分の人生におけるあらゆる意思決定の精度を向上できたり、また、後悔のない意思決定ができるようになる本だと思いました。

ざっくりと本書の内容をまとめると、自分の下した意思決定について、結果ではなくプロセスで意思決定の質を評価しようということです。

私たちは日頃行う意思決定の質を結果だけをみて評価しがちです。

例えば、これから電車である目的地へ向かうとします。
目的地へは2通りのアクセス方法(A線、B線)があり、低価格なA線を選んだとします。
ところが向かう途中で人身事故が発生し、目的地への到着が大幅に遅れてしまいました。
こんなとき、「目的地への到着が大幅に遅れた」という悪い結果から、「B線に乗っておくべきだったなあ」と意思決定の誤りを悔やむはずです。

しかし、意思決定の時点では合理的に目的地へのアクセス方法を選択(意思決定)していたはずで、起こる可能性が極めて低い人身事故を想定するのは現実的ではありません。
このような場合、単純に結果から意思決定を判断するべきではないというのです。

意思決定の結果は、自分で制御できる部分と制御不能な不確実性の部分から生まれます。
もし意思決定に対して反省するのであれば、自分で制御できる側面だけを評価するべきであり、不確実性が招いた結果を後悔するのは間違いなのだと。