『キーエンス~驚異的な業績を生み続ける経営哲学』を読んだ感想
- 2020.10.27
- 書評
以前、こちらの記事を読み、キーエンスという企業に興味を持つようになりました。
もともと、キーエンスは自分が就活していた頃から知っていました。
高年収でほんの一握りのエリートしか入れない企業という印象だったのを覚えています。
しかし、具体的にキーエンスがどんな事業をしているのか、また、どういう組織文化なのかは知りませんでした。
本書では、キーエンスの経営哲学である「付加価値の最大化」をどうやって社員に伝え、なぜ創業から今に至るまで実現できているのかをわかりやすくまとめています。
その中でも、本書を読んで一番印象的だったのは社員の成果を評価する方法です。
キーエンスでは成果だけでは評価されず、その人独自の新たな工夫や提案、および行動がどれだけその成果に貢献したかが評価されるようです。
したがって、製品の開発者(技術者)であっても、営業担当に自らが開発した技術でどれくらい売り上げが変わったのかを徹底的にヒアリングした上で成果を報告する必要があります。
キーエンスがこのような方法で成果を評価している理由は、社員に顧客に役立つためにとことん考え尽くすことを求めているためです。
キーエンスでは具体的に次の2つを社員に求めています。
- 使用する資本・資源や経費・コストを最小化し、顧客の付加価値を最大化する方法を「徹底的に考える」
- 顧客の価値を最大化するために「顧客の現場を徹底的に知る」
キーエンスは上記を徹底しているからこそ、日本の製造企業としては最高レベルの利益率※を維持できています。
※2017年をのぞいて過去20年間以上にわたり、売上高営業利益率が平均40%を超える業績をあげている。
キーエンスの取り組みは他の企業が一朝一夕に模倣できることではありませんが、顧客への付加価値の最大化のために「徹底的に考える」姿勢は一個人として見習うべきだなと感じました。
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