『トークンエコノミービジネスの教科書』を読んだ感想
- 2020.04.11
- 書評
最近、日経の『「ソニーの車」を生む革命 ブロックチェーンの可能性』というニュースを読んで、ブロックチェーンが気になっています。
中国ではコロナ禍以降、ブロックチェーンをベースにしたアプリが多数生まれていて、中国政府も積極的に推奨しているのだとか。
(ブロックチェーン技術の客観性、安全性、信頼性が中国製品やサービスへの信頼復活のチャンスになると考えているらしい。)
ということで、まずはブロックチェーンの概要を知るため、Kindleで『トークンエコノミービジネスの教科書』を読んでみました。
ちなみに、タイトルにもあるトークンエコノミーとは「デジタル通貨による新しい経済圏」のことです。また、トークンとは、「法定通貨」の代わりに用いられる、企業や団体が発行することで特定のサービスなどに活用可能な「代替通貨」のことで、楽天ポイントやAmazonポイントもトークンの一種です。
本書では、ブロックチェーンを活用してトークンエコノミーを構築していく未来(理想像?)を語っています。
ブロックチェーンは非中央集権型の分散台帳技術であるため、一度トークンが配布されれば自動的にブロックチェーン上で管理され、その後、開発者たちがメンテナンスする必要がありません。
なので、非常に安価なコストでトークンエコノミー構築が可能です、
一方、ブロックチェーンを用いない従来型の決済システムの構築や運用には、開発チームの人件費、サーバメンテナンス費用など、膨大なコストがかかります。
ある程度の規模の企業でない限り開発不可能です。
上記より、今後ますますブロックチェーン技術を基盤としたトークンを活用したサービスがどんどん出てくるだろうなぁと思います。
また、ブロックチェーンを活用したトークンの隆盛は、きっとデータサイエンスにもシナジーを生むだろうと思いました。
ブロックチェーンを活用したトークンであれば、誰から誰にどのように流通していくのかを詳細に追跡可能です。
- 配布したトークンによってどれくらいの価値が生まれたのか?
- トークンは当初の目的通りに流通しているのか?
- どのようなキャンペーンをすることでよりトークンの価値を高められるのか?
などなど、ブロックチェーンを活用したトークンエコノミーの進展によって、データサイエンスがトークンの流通分析や施策の提案などをサポートする必要性はどんどん高まっていくはずです。
そんな未来に思いをはせた今日この頃です。
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