『ビジネスエリートになるための 教養としての投資』を読んだ感想
- 2020.07.08
- 書評
最近、資産運用に詳しい友人と話した際に、自分が加入している生命保険を一度見直した方が良いというアドバイスをもらいました。
自分が加入している生命保険といえば、新卒で入社してすぐに加入した積立年金と掛け捨ての結構高額ながん保険なのですが、そもそも保険含めて資産の運用自体に今まで興味を持てていませんでした。
(新卒入社後に確定拠出年金はやっているものの、特に勉強もせずここまできています、、)
そろそろ資産運用について少しは勉強せねばと思っていたところに本書を見つけたので、読んでみました。
「投資」と「投機」は別モノ
本書では、「投資」と「投機」を明確に区別しています。
本書でいう「投機」とは、チャートとにらめっこして株などの売買を繰り返すことを指しています。
いらすとやのこの画像のイメージです。
私を含めて、多くの人が抱くであろう「投資」のイメージは本書でいう「投機」なのでした。
一方、「投資」とは「投機」の対極にあるビジネスの本質に関わることで、自分より優秀で稼いでくれそうな自分以外の仕組みにお金の一部を投じることを指しています。
本書では、「投資」をする投資家(お金を出して他の人を働かせる)の対極に存在しているのが「他人に働かされている状態」である労働者1.0だと述べています。
労働者1.0からいきなり資本家になるのは難しいので、まずは「自分が働いている状態」である労働者2.0へマインドセットを移行するべきなのだと。
労働者2.0になれれば主体性をもって働けるために、自分が属しているコミュニティの枠を超えて広い世界に目が向くようになり、自然と資産形成に投資を組み込むようになるのだそうです。
投資すべき企業とは
筆者は、投資した会社は少なくとも5年はその株を保有し続けることにしているそうです。
その投資判断基準は、永続的に利益を生み出す事業モデルを持っているかどうかなのだと。
永続的に利益を生み出す事業モデルとは、次の3つの要素をもつ「構造的に強靭な企業」だと述べています。
- 高い付加価値
会社の存在意義が明確であること - 高い参入障壁
今の時点で新規参入した企業では敵わないほどの圧倒的な優位性 - 長期潮流
人口動態や社会保険料の増加などの普遍的で不可逆的な事実
ただし、上記の3条件を満たす企業は一夕一丁に探せるわけではなく、上でも述べた労働者2.0のマインドセットを持って長年の仮説検証を繰り返してようやく見つけられるとのことでした。
最後に
本書では、若い間は労働者2.0になるために徹底的に自己投資しましょうと述べています。
投資にはある程度の資金が必要で、また、自らのビジネスパーソンとしての成長は投資にも良い影響を与えるからだそうです。
本書を読んで「投資」とは一体何なのかがわかっただけではなく、自分のキャリアについても見つめ直せるような良い機会になったなぁと思いました。
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